ミセスエリザベスマフィン
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マフィンのあれこれ
マフィンのあれこれ
2006.3.16
生まれたのはイギリス。
その前に、まず私たちが生きている時代から200年ほど前を想像してみて下さい。日本でいえば江戸時代の後期。私たちが今あって当然と思っている電気やガスがなく、野菜や肉などの食べ物はすべて自然に支配され、飢えが存在した時代です。
イギリスも同じでした。ロンドンのような大都会は別として、普通の人たちの生活は貧しく、不自由でした。たとえば毎日食べるパンは、月に何度か村の共同の石釜で焼きます。普通の家にあるのは、ハースと呼ばれるかまどだけ。各家庭でパンを焼く場合は、ソーダブレッドが代表されるような、ポットオーブンと呼ばれる鍋で焼くか、火の上にグリッドルと呼ばれるホットプレートの原型になった鉄板の上で焼くかになります。
鉄板の上ではかたまりの大きなパンを焼くことは無理ですから、ホットケーキのような薄くて、小さなもの。フラットブレッドのタイプでパン生地も水分を多くして、グリッドルの上に薄く広げて焼く工夫が必要でした。そのひとつとして考えたられたのがマフィンで、水分が多くやわらかい為に形つくることが出来ません。それで、円形の枠をおいて、その中に生地を流して焼くことにしたのです。
枠の形は円形で、マフィンと呼ばれる円管と同じ形なので、それを使って焼かれるソフトなパンもマフィンと呼ばれるようになっただけ。マフィンという言葉そのものには特別な意味はありません。
ちなみにイギリスでグリッドルを使って焼かれたマフィンは、イーストを使って発酵させたもの。ベーキングパウダーが発明されたあとで作りだされ、アメリカで大いに食べられるようになるマフィンと区別してイングリッシュマフィンと呼ばれる、白くてやわらかいタイプのパン。
一方アメリカでは、1850年以降ベーキングパウダーが発明され、早速パン作りにも使われ始めました。同時にビーターの機械化とオーブンの普及、さらに人々の嗜好の変化が相まって、口当たりのやわらかいもの主流になってきました。
生地作りもイーストを使った従来のものよりベーキングパウダーを使ったほうが手早く作ることができ、甘味や他の材料を加えることができます。(ベーキングパウダーはイーストと違って、砂糖や水分のある材料を加えてもふくらむのです)また食べるときもそのまま食べられるタイプのいわゆるクイックブレッドが主流になっていきます。
マフィンもそのひとつ。時代の要求にあわせて昔ながらのタイプより、小麦粉に卵やバターをとりあわせ、砂糖を加え膨張材としてベーキングパウダーを使った生地。さらにアメリカのほとんどの家庭にはオーブンが普及していましたから、グリッドルではなく、オーブンで焼かれることになり、オーブン用の専用の型も売り出されます。
このメイドインアメリカのマフィンはオーブンで焼くのですから、型も丈が高くなった形は円筒形。それも1個1個ではなく、6個から12個つながっていて、マフィン・ティンまたはマフィン・アイロンと呼ばれます。焼き上がりはイギリスのマフィンとは味はもちろん、形も焼き色も全然違いますし、そのままバターやジャムを塗るだけで食べられるというストレートタイプになり、忙しいアメリカの人たちに大いに受け入れられていきました。
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